演技レッスンのポイント

Lesson10
【自分の感動を演じない・役として】

「セリフを言っていたらとめどなく涙が出てきて・・・」
そんなことを誇らしげに言う役者さんが時々います。

自分では感情が湧き出てきて、すごい演技をやったような気になっていたりしますが、ちょっと待ってください。
そこは役が本当に泣く場面ですか?

本当の役はその泣きたい思いをぐっとこらえていたりしませんか?
演技において感情を垂れ流せば良いというものではありません。

「戦い」が必要です。


役は普通に生きている人同様、何かと戦っています。
それは誰かに対する恋心だったり、

子を想う親心だったり、

嫉妬心だったり、いろいろです。

 

普通の人は、感情のままに行動しませんよね。
もし、そんな人がいたらすぐに警察が来ます。

普通の人は起こった感情と戦っているのです。


その戦いがあるからこそ、深みがあり、ドラマが生まれるのです。
だから、役者もそれが必要になります。


戦いです。

その為には、何度も出てきますが、まず【楽器の訓練】が必要です。
いろいろなものが自然と表に表れる身体を持たなければいけません。


それが基本中の基本です。


はい、ちょっと脱線してしまいました。
自分のセリフに感動して泣いてしまうということはよくあります。


正直な話、観客からするとすごく冷めます。

なぜなら、「この話面白いんだよ。だってね、プププ。昨日ね、ププププ」
なんて思い出し笑いをしながら話そうとしている人を思い浮かべてみてください。


話している人だけウケてて、こちらには何も伝わらないですよね。

つまり、役のセリフに感動してしまって、泣く所じゃないのに泣いたりしてしまうのは、役を演じているのではなく、観客としての感動を演じているのです。

だから何も伝わりません。
台本を読んだ時の感想を演じてはいけません。

感想を言うのは観客です。
だから、あくまでも、役は役としてそこにいなければいけません。

 

Lesson10まで演技の基本中の基本をお伝えしてきましたが、

これはまだまだほんの一部です。

演技者としてまだまだ知るべきこと、気付くべき事はたくさんあります。

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Lesson1
【演技の基本は俳優の楽器の訓練】

Lesson2
感情は、【込める】ものではない。【生まれてくるもの】です。

Lesson3
【説明の演技】と【体験の演技】

Lesson4
【感情】にフォーカスしない

Lesson5
【役へのアプローチ入門】

Lesson6
【役へのアプローチの究極】

Lesson7
【役としての過去の経験をしてみる】

Lesson8
【セリフを自分の言葉に直してみる】

Lesson9
【役を正当化する】

Lesson10
【自分の感動を演じない・役として】

Lesson11
【演技がうまいとはどういうことか?】

Lesson12
【緊張と声の問題を解決する方法】

 

号外
今の自分から変わるには?



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